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「わぁ、アイスクリームのスプーンが木べらだ!」
最近は、プラスチックのスプーンばかりで、たまにある木べらが懐かしい。
お風呂あがりのアイスクリームほど、幸せなことはない。
いよいよ、食す時がきたーー。
ふたをあけて、木べらで、『メロン』色のアイスクリームをすくい、そっと……口に入れた。
「……うーん。何か違うな」
いや、まずくはないんです。何か、違う。
死ぬほど食べたいほどの美味しさは、無かった。
これが『大人』になったなのだろうか?
緑色のアイスクリームは、今はもっと美味しいのがある。あの頃より、技術があがって、アイスクリームのレベルが違いすぎる。
この考えがもう駄目なのかな?
苦労して見つけた『メロン』のアイスクリームは、『大人』になったという成長と経験があの頃のトキメキを奪い、荒んでしまった人間になったのかな?
でも、『大人』になれたから……この宝石のようなキラキラした思い出が私のちょっとした小さな幸せを与えてくれた。
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