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彼女は目が大きく、整った綺麗な顔をしていた。服装は中性的で、全体的に黒く、それが怪しい美しさを漂わせていた。大学生、くらいだろうか。
先週は見えなかった部分まで見えて、さらに不思議な気持ちになる。
彼女の全体をジロジロを見た後に、ふと彼女の顔を見た。
それに気づいた彼女は私に少し微笑んだ。
笑顔を初めて見る。
(笑うと、かわいい…)
そう思ったら、私も自然と笑ってしまっていた。
しばらくして、恥ずかしくなって、少し目を逸らして、また見ると、彼女はまだ私のことを見つめていた。
私たちは、またしばらくの間、見つめ合っていた。
なぜ彼女は私を見ているのだろう。
なぜ、私は彼女を見ているのだろう。
顔が熱くなるのを感じて、とうとう私は目を逸らした。
それ以降、私は顔を上げる事ができなかった。
彼女は私が降りる一個前の日星大学前駅で下車をした。
彼女は日星大学の大学生なのだろうか。
疑問に思いつつ、私は会社に出社した。
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