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爆ぜるように赤い光の粒が広がり、二人の身体を包み込んだ。重力を忘れ軽くなったりんごの身体は、両手の指先、つま先から、髪の一本一本までが熱く柔らかい輝きで満ちる。
気がつけばりんごの着ていたうす緑色の病服は、フリルのあしらわれた深紅のドレスに変わり、裸足だった筈のつまさきには小綺麗な靴まで揃ってる。そうして身体は先程まで横たわっていたベッドに真っ直ぐに立っていた。いや、立っているというよりはやはり少しだけ浮いている。
「上々ね。よく似合っているわ。」
「服…可愛いー……じゃなくて!どうなってるのこれ…」
満足そうなメーラとは対照的に、りんごは今更ながら襲い来る驚きにソワソワと身をよじった。自身の全身を正確に確認することはできなかったが、それが普段とは違う姿であることはわかった。
「いわゆる正装、ってものかしらね。貴女を守ってくれるわ。さぁ、行くわよりんご。身体はもうなんともないはずだわ。」
「えっ、えっと、行くって…どこに?」
性急な展開にまだ気持ちが追い付かないというのに、メーラは当然の事のようにその問いに答えた。
「誰かの夢の入り口によ。」
第二片―
【夢の中の少女】…
》》coming soon!《《
「人ひとりの夢には限りがあるけれど、夢は全て無意識下で繋がっている。人が夢に見ないだけで確かに存在している空白地点もあるの。」
「グリゴリの娘達は夢を食べるのよ。全ての夢を食べ尽くされたら、その人は永遠に目覚められなくなるわ。夢は世界との繋り、そして入り口。」
ツヅク
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