君には分からないよ

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「ん、じゃあ、さっき君が言いかけたこと、教えてよ」 「え……」 君との関係を、これ以上、進めたくもないし、退行させたくもないんだ。 僕が言ってしまっても、君は、君は。 「僕は、ロボットだから?」 「…………」 いつものように静かな瞳。全く揺れることのないそこに、震える僕はどんなふうにうつっているの。 「僕がロボットだから、僕には教えてくれないの」 「ち、ちが」 「ひどいじゃないか。僕は、僕だって、君と同じように」 「君は!君には!血は……通わないんだ……だって……ロボットだから……僕とは ……違うんだから」 絆創膏をはがされ、また滲み出す血を、アニが舐めとる。 「ぁ、あ、アニ、なに、やめて、アニ」 「僕には分からない。この血が、僕と君とを、こんなにも隔てることが。僕には分からない。だからくれ。僕にもこれをくれ」 「君と、同等になりたいのだ」 無理だ、無理だよ。 「あついね……ねぇ、僕には体温がないけれど、君の体温は分かるよ」 それは、それは。 「あかい……真っ赤だよ、ねぇ。見える?」 君のそれと、僕のそれは、違うんだ。 「ねぇ…………今、どんな気持ちなの」 僕と君は 同等にはなれやしない。 君には、 こんな複雑な気持ち、分からないんだろう?
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