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疲れたな…。
退屈すぎて、疲れた。
特に何かした訳じゃないけど、何となく。
俺の感情は今日もろくに働かない。
何となく過ぎていく毎日の中で特に喜ぶことも悲しむこともなく、ただ実態のない疲れだけが積み重なっていく。
感情も表情筋も生まれてこの方あまり仕事をしていないが、それすらもどうでもよくなり始めていた。
…とりあえず部活行くか。
教室を出ると、何やら渡り廊下から賑やかな声がする。見ると数人で騒ぎながら歩く楽しそうなグループ。
あれは確か同じクラスの奴らだ。
クラスの中でも特に賑やかな運動部の集団で、半分以上はサッカー部…だったかな。
あんなに連れ立ってどこへ行くんだろう。部室かな。
相変わらず騒がしいな。
これは俺の偏見だけど、運動部の中でもサッカー部ってチャラいやつが多いというか、パリピが多いというか、そんな印象がある。とにかくそういうノリが苦手な俺とは無縁の連中だ。
何が面白いんだか分からない。
特にあの真ん中のちっこいの。名前何だっけ。
あいついつも輪の中心にいるよな。
あんなに笑ってて疲れないんだろうか。
くだらない、と目線を逸らそうとしたが、一瞬だけ変な感じがして再び視線を戻す。
…あの真ん中のやつ、何か無理してないか。
本当に一瞬だけだが、何やらその笑顔がぎこちなく見えた気がした。
まぁ俺には関係ないしいいか。さっさと部活行こう。身体動かすのは別に嫌いじゃないし。
その時はさほど気にせず、うるさい集団に背を向けて体育館へ向かった。
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