1. first impression

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疲れたな…。 退屈すぎて、疲れた。 特に何かした訳じゃないけど、何となく。 俺の感情は今日もろくに働かない。 何となく過ぎていく毎日の中で特に喜ぶことも悲しむこともなく、ただ実態のない疲れだけが積み重なっていく。 感情も表情筋も生まれてこの方あまり仕事をしていないが、それすらもどうでもよくなり始めていた。 …とりあえず部活行くか。 教室を出ると、何やら渡り廊下から賑やかな声がする。見ると数人で騒ぎながら歩く楽しそうなグループ。 あれは確か同じクラスの奴らだ。 クラスの中でも特に賑やかな運動部の集団で、半分以上はサッカー部…だったかな。 あんなに連れ立ってどこへ行くんだろう。部室かな。 相変わらず騒がしいな。 これは俺の偏見だけど、運動部の中でもサッカー部ってチャラいやつが多いというか、パリピが多いというか、そんな印象がある。とにかくそういうノリが苦手な俺とは無縁の連中だ。 何が面白いんだか分からない。 特にあの真ん中のちっこいの。名前何だっけ。 あいついつも輪の中心にいるよな。 あんなに笑ってて疲れないんだろうか。 くだらない、と目線を逸らそうとしたが、一瞬だけ変な感じがして再び視線を戻す。 …あの真ん中のやつ、何か無理してないか。 本当に一瞬だけだが、何やらその笑顔がぎこちなく見えた気がした。 まぁ俺には関係ないしいいか。さっさと部活行こう。身体動かすのは別に嫌いじゃないし。 その時はさほど気にせず、うるさい集団に背を向けて体育館へ向かった。
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