警部補・越前屋政之進 時貞/階段事件

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その証拠が、青春18切符の昨日の日付け入りの判子と、本日高原地帯のJR駅で押された、本日の日付け入りの判子だった。

一泊は、高原地帯にテントを張って野宿したことにする。

そのための偽装も、高原地帯に着いた時に持って行ったミニテントを広げて、ふんだんにあの場所の雑草や土をテントに付着させて行った。

最後に雑草や土を手で払ったものの、警察の科捜研なら、テントに微量でも付着した土や雑草が、あの高原地帯のものであることを証明してくれるだろう。

なんとか自分が昨日から今日にかけて、あの高原地帯にて一泊して過ごしていたというアリバイは作った。

”昨日、青春18切符を使って自宅最寄りのJR駅から高原地帯のある駅まで電車で行き、その後高原地帯まで山登りし、そこにミニテントを張って、その日は一泊。

その後下山して土産物を買い、喫茶店でお茶を飲んで店主と世間話をした後、もう一度高原地帯まで山登りし、また下山して食堂で食事を取ってから、高原地帯のJR駅から、青春18切符を使って帰りの電車に乗り帰宅した。”

故に、今日の朝に、自分はあの階段には存在しなかった。

塚原はなんとかアリバイが作れたのではないかと思った。