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自宅最寄りのJR駅に電車が着いたのは、夜の7時を回っていたが、その後駅から家路を辿り、自宅に到着した塚原は、落ち着いてリビングでくつろいだ。 アリバイはある。 たぶん大丈夫だろう。 自分にそう言い聞かせているうちに、だんだんそんな気になっていった。 その後塚原は、リビングで漫然とTVを眺めていたが、急に玄関のインターフォンが鳴った。 時計を見ると、夜の8時半だった。 こんな時間に誰だろう?と思って、玄関に出向いた塚原は、チェーンロックを嵌めたままの玄関のドアを少しだけ開けた。 すると玄関前には、シルクハット帽を被り、キチンとした紳士服の上にマントを着けた、まるで古風なサーカスの司会者か、子供の頃読んだアルセーヌ・ルパンみたいな男が立っていた。
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