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かなりの出血に見えたし、相当にグッタリしていたから死んでいるように見えたが。 「遺体が消失したというのは、その遺体がどこかへ消えてしまったということですかね?」 「まあそうなりますな」 しかし。 遺体にまだなっておらず、あの男は死んでいなかった可能性もある。 それなら俺は殺人などやっていないし、あの男が消えたままなら、事件性は全くないことになる。 そうであってほしい と塚原は内心思った。 「もしかして、その、まだ遺体ではなくて、被害者は本当は生きていて、そのまま帰ってしまったんじゃないですかね。そんな可能性もある気がしますが。だって遺体が消えるって、ねえ、まるでホラー映画みたいで…」 塚原は越前屋に打診した。 「いえ、今のところ捜査の結果、遺体が消失してしまったという可能性の方が強いと言わざるを得ない状況なのですよ。だから弱っておるのです」 「そうなんですか…」 あの男の遺体はそれじゃあどこへ消えてしまったんだ? 何が起きている? 塚原はしばらく黙って考え込んでいたが、ふと思った。 もしかして、あの男を殺したのは自分ではなく、別に犯人がいて、その真犯人があの男の遺体を隠してしまったんじゃないのか? と。 そして… 警察に、あの公園の階段で俺のことを見たと証言しているのは、その真犯人なんじゃないのか?     
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