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全てが切れてしまうようで、 どうしても、捨てられなかった。 「あなた、ハンカチを何故処分しなかったんですか?」 越前屋は、静かにそう言った。 「ええ……捨てられなかったんです…」 それが、全ての、私の本心だ。 「…なるほど」 越前屋は、そうつぶやくと、私の肩を、優しく叩いて、哀しそうに微笑んだ。 終
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