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中々妙案がすぐには思いつかない。
残念ながら、塚原にはアリバイ工作に協力してくれそうな知り合いや友人も、恋人もいなかった。
そんな状況で一体どうやってアリバイを…?
と困惑を極めていた時、目の前のテーブルの上を見た。
そこには前に購入し、一度だけ使用済の「青春18切符」があった。
旅行は嫌いではないが、新幹線は高額だし、深夜の長距離バスでは眠れない上、車酔いする質の塚原には、青春18切符での、のんびりした列車旅が最適だったので、毎年購入していた。
今更どこかへ旅行して、雲隠れしてもな…
塚原はすぐにそう思ったが、テーブルの上の青春18切符を眺めているうちに、あることをふと思った。
ひょっとしたら…
イケるかもしれない…
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