2

3/3
前へ
/41ページ
次へ
中々妙案がすぐには思いつかない。 残念ながら、塚原にはアリバイ工作に協力してくれそうな知り合いや友人も、恋人もいなかった。 そんな状況で一体どうやってアリバイを…? と困惑を極めていた時、目の前のテーブルの上を見た。 そこには前に購入し、一度だけ使用済の「青春18切符」があった。 旅行は嫌いではないが、新幹線は高額だし、深夜の長距離バスでは眠れない上、車酔いする質の塚原には、青春18切符での、のんびりした列車旅が最適だったので、毎年購入していた。 今更どこかへ旅行して、雲隠れしてもな… 塚原はすぐにそう思ったが、テーブルの上の青春18切符を眺めているうちに、あることをふと思った。 ひょっとしたら… イケるかもしれない…
/41ページ

最初のコメントを投稿しよう!

135人が本棚に入れています
本棚に追加