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塚原は、自宅に近いJR駅に来ていた。 うだうだ悩んでいても仕方がないので、何か行動するしかない、と決めた。 手には、前日に使った青春18切符。 実は前日に、塚原は青春18切符を使って、遠方にある高原地帯まで行っていた。 その高原地帯には思い出があり、愛着がある場所だったが、そこへ行った際に、毎年なんとなく買ってしまう青春18切符を使用したのだった。 だが塚原は、青春18切符をポケットに戻すと、自動券売機に向かい、1000円支払って切符を買い、そのまま自動改札を抜けた。 そして電車に乗り、1時間半ほど乗車した後、昨日行った二つ隣の県にある同じ高原地帯のある駅で下車した。 実は数回来たことがある場所だった。 かって付き合っていた彼女と来た思い出がある。 二人だけの秘密のデートスポットだった。 あの時は楽しかったな… 元々は彼女の方が好きな場所で、高原の山登りに自分は渋々付き合っていたにすぎなかったが、いつの間にか塚原も、この高原地帯に愛着を持つようになっていった。 駅内の、高原の山道コースを案内する看板を見ながら、塚原は回想した。 どこかへ出かけてしまおうと思い立って、浮かんできたのがこの高原地帯だった。     
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