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塚原潤一が意識を取り戻すと、階段下に血を流した男が倒れていた。
塚原の衣服は血にまみれ、手にはナイフが握られていた。
記憶を辿っても頭を打ったらしく、塚原には覚えがなかった。
何が、どうなってるんだ??
塚原は朝のウォーキングのために、この階段をいつも通る。
最近、まだそんな歳でもないのに、下腹が出始め、運動不足を気にし出した塚原は、ほぼ毎朝ウォーキングを行なっていた。
ウォーキングと言っても、ただの軽い散歩のようなもので、文字通り、ハードなランニングを行なっているわけではない。
ランニングのようなハードなものは続かないだろうと思い、比較的楽な散歩に近い形で、塚原はウォーキングを行なっていた。
最近は慣れてきたのもあって、気楽に行なっている。
当初はそれでもウォーキングをして家にたどり着くと、多少息が上がっていたから、それまでいかに運動不足だったかがわかる。
このところ、体が軽くなったように感じるのも、ウォーキングのおかげだろうと塚原は思っていた。
そのウォーキングを始めてから、こんな事態に陥ったのは、当然だが、始めてのことだった。
血まみれの男が階段下に倒れていて、自分がナイフを握っている。
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