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見たことのない場所に、私はいる。
ここはどこだろう。
あの人達は、誰なのだろう。
何もわからずにただ、茫然としていた。
「おまえは、何故自分の家に火をつけるような気がする事をしたんだ。」
私が? 自分で自分の家を燃やした?
そんな馬鹿な事を、私はやってしまったのだろうか。
あの日、実家に帰って自分のベットで休んでいた。
そのあと、眠ったような気がする。
夢を見ていたような感覚がある。
しかしながら、漠然としていて、はっきりしない。
その間に何かが起こっている。
眠っていたら階下で、何かを叫ぶ声が聞こえた。
「火事よ!! 早く逃げて・・・貴方の何を言ってしているの」
「何故、何故、あなたが火をつけているの?」
「何故?何故?」
母はわたしをみつけて探しに来て、部屋のドアを開けた。
私は、自分の写真を一枚一枚燃やしているところだった。
母は愕然として、動けなくなってしまった。
煙が充満してきている、熱くなってきた。
動けなくなった母は、煙の向こう側で見えなくなった。
そして、今私は、たった一人で格子のある部屋にいる。
あまり好きではなかった、あのさやさやと葉がすれあう音も、もう聞くことはできないだろう。
さやさやさやさや・・・・・・
夢の中で、時々音を聞いた。
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