夢の中で

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これを幾昼夜を繰り返してようやく岩壁に着いた。しかし陸地を行っても道が険しい山岳地帯に過ぎない。まだ塩原を歩いてた方がマシだった。 空気が薄い場所では歩くだけで息切れする。私は、アンデス山脈を降りようとした。しかし、足を滑らした私は、崖下へと落ちていった。もうダメだと思った私はまた気を失った。 気がついたら、私は海岸沿いの道に立っていた。崖から落ちたはずなのに全然痛くも痒くもない。骨折してない私は、とにかく道を歩いている。 遠くに街が見えてきた。どんどん歩いていくと、その街の中へ入った。欧風な建造物が並ぶ街で私は体を休めた。石造りの建物ばかり並ぶ街の中にバーがある。その中に入った私は、飲食する男たちと一緒に楽しんだ。私は生バンドの演奏を聴きながら、みんなと一緒に浮かれてた。踊って歌って食べてと騒いでいる者たちに、時が流れていることさえ忘れているようだ。ここまでは良かったが、この後30分後に地震が起きるとは誰も考えてない。 酔いが回っている者たちがいるバーを含めて、下から突き上げるように地面が揺れた。みんなは固まってしまっている。古い建物は壁や天井に亀裂が入って崩れていく。 私は外へ出て揺れが収まるのを待って道を歩んだ。崩れた建物の中から救助を求める声が聞こえる。そのうちに声が聞こえなくなった。     
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