夢の中で

9/13
前へ
/16ページ
次へ
避難していく人々の口から「津波が来るぞ」と喚くのが聞こえる。私は、海岸から離れることにした。しかし、この辺りは近くに高い建物や山がない。とにかく海岸から離れることにした。 しかし、人間の足では到底10キロ先に離れることは大変時間がかかる。間もなく津波が襲ってきた。街を覆う波は、たちまち建物を飲み込む。瓦礫と共にこっちまで襲ってきた波は、私の足を捉えた。足を掬われた私は、その波に飲み込まれていった。ここで終わりだと思った私は気を失った。 気がついたら、私は潜水艦の中にいる。津波にのまれたはずなのに、そこからどうやって潜水艦の中へ入ったのか全くわからない。辺りを見回すと、クルーの方が廊下を歩いている。2人で何やら雑談しながら向こうの方へ行って、ドアを開けてその部屋へ入った。 どこをどう移動しているのか、私には全然わからない。真っ暗な海中にいること以外知りようがない。 私は、操舵室へ向かった。こっそりとドアを開けて操舵室に入ると、中年男と若者がいた。中年男は多分船長だろう。若者は、実際に操舵する航海士だろう。私は、彼らの会話をこっそりと聴いていた。     
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加