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夢の中で
私の瞼には映像が現れ始めた。ここは一体どこなのかわからない。さっきまで自分の体が宙に浮いて空を飛んでたら、途中の海へ落ちたのだ。海中に沈んだはずなのに、そこの画像がなくていきなり地上に立っている。
そこは夢だから、その矛盾を無視して、先へ進むことになる。何故か私は砂漠の中にいる。昼はとても暑くて居られないので夜に移動するのが定番であるキャラバンと共にいる。
ラクダの背中に乗っている私は、ラクダが歩いていく方向へ進む。どこへ行くのか、私にもわからない。隊長は、星を見て方向を変える。ラクダは隊長の指示で移動するから、次のベドウィンへ向かっているのだろう。
隊長は私を荷物とみなしているのか、全然気づきもしない。命令するわけでもないし、水をくれるわけでもない。そのうちに朝が来て、立ち止まるとそこでテントを張る。
男たちが作業する中で私には完全に無視している。何故か、腹が空かないし、喉が渇きもしない。私が男たちと一緒にテントの中に入っても気づかれもしない。男の体が私に当たっても痛くもない。
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