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そのうちに砂嵐がやってきた。西の方からやってきた嵐は、テントへも襲ってきた。私たちは砂嵐に巻き込まれた。私はそこで気を失った。そのうちに嵐が止んだ。目を開けるとそこは砂漠の中ではない。砂漠どころか、高原にいるのだ。
私のそばには小川が流れている。水源地の中にいる私の周りには、さっきまでいた男たちがいない。砂漠からどうやって湿潤地帯の高原まで来たのか私にはわからない。
その矛盾を省くとして、私は高原を歩くことにした。辺りには高原植物が花を咲かせている。その高原植物を糧にして生きる虫や野鳥がいる。私は子育て真っ最中の野鳥と戯れたりお花畑で寝転んだりした。私から離れた所を登山客が歩いてる。登山客は、私のことなど見向きもせずにどんどん先を進んでいく。
昼は過ぎて、遠くの彼方に日が沈むと星空が見え始めた。天の川がくっきりと見える夜空は、ゆっくりと回転している。野外にいるはずなのに、何故か全然寒さを感じない。一晩中お花畑に寝そべって天球を眺めてたら、東の雲海が明るくなってきた。空が明るくなって、夜空は見られなくなった。
高原で朝を迎えたはずだが、全然寒さを感じない。しかし、山は天気が変わりやすい。西の方から雲がかかってきた。そして、高原にも雨が降り始めた。その雨はどんどんひどくなっていく。私は、どこか雨を凌げる所を探しに行った。
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