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良くも悪くも取れる彼らがテントを畳むと、散り散りに立ち去った。男たちが去った砂浜は、私にはナミビア砂漠に一人取り残された感じである。昆虫やトカゲなどここで生きる小動物だけが私の相手となった。
トカゲが足をバタバタさせながらその位置に立ったり、昆虫が逆さに立っているのを見ていた私は、何故か暑さも湿っぽさも感じない。テレビの画像を見てるかのように、気候を感じないはずな私に砂嵐がやってきた。
立っていられず、目を開けられない砂嵐は、私を遠くへ吹き飛ばした。宙に浮いた私はどこへ行くのだろうと思った。気がつくと、地球の外を回っている。それも、宇宙ステーションの中ではない。体一つで地球の回っているのだ。
宇宙服なしで宇宙に居ればたちまち死ぬはずなのに、何故か普段着で宇宙にいる。そして地球を宇宙ステーションと同じように回るので、北極から南極へと少しずつ経度をずらしながら移動する。南北アメリカ大陸を縦断したと思ったら、南極を経てインド洋からユーラシア大陸へ入って北極へ戻る。これを繰り返してるうちに、夜になってるエリアの夜景が見える。暗い大陸を見てると、貧しい地域か人がいないかがわかる。
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