君と眠る夢

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結局俺は杏奈にありがとうとメールを送って帰路に就いた。 家に帰るとすぐ風呂に入り、もらったばかりのパジャマに身を包んだ。 花の香りが鼻孔をくすぐる。 杏奈の白い肌に似合うと思って選んだ淡い色地のパジャマは、色黒の俺にはひどく不釣り合いだった。 食卓で家族に散々からかわれたが、すべて聞こえないふりをした。 部屋に戻り、スマホを見る。 杏奈からの返信は来ていなかった。 鬱々とした気持ちを抱えたまま、明かりを消してベッドに潜り込む。 甘ったるい花の香りが濃度を増す。 今日はどんな夢を見るのだろう。 もしまた夢に杏奈が現れたら、今度こそ直接ありがとうと伝えよう。 そして、好きだと伝えよう。 花の香りにつつまれたまま、俺はまどろみの淵に手をかけた。 fin
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