君と眠る夢

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帰り道は、楽しかった買い物が嘘だったかのようにお互い押し黙りながら歩いた。 話したいのに、言葉がのどに詰まって出てこない。 いつもならいくらでも出てくる軽口さえ、今はすっかり息を潜めていた。 少し前を歩く杏奈の背中を見つめながら、ふと思い当たる。 そういえば、どうして今日は現地で待ち合わせをしたのだろう。 家はすぐそこなのだから一緒に行けばよかったのに。 昔ならば遊びに行くときはいつだってどちらかの家で待ち合わせてから一緒に行っていたのに。 これが、知らぬ間に俺と杏奈の間にできていた距離なのだろうか。 杏奈はいつだって、俺より先に大人になっていく。 その差は決して縮まることはない。 いつまでも杏奈は俺より2歩先を歩いている。 その事実が、ひどく俺を痛めつけた。
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