君と眠る夢

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予定より10分も早く待ち合わせ場所に行ったのに、彼女は既に仁王立ちで待っていた。 「遅い!」 「いや、遅くねぇし。そっちが早すぎんだろ。」 口では一応そう言いながらも、完全に心は彼女の黄色いワンピース姿に奪われていた。 遠くからでもすぐに分かった。 快活な彼女には、爽やかなレモンイエローが驚くほどよく似合う。 「だって、楽しみにしてたから。」 その一言で俺は完全に俺はノックアウト。 まさに一発KOだ。 「ほら、早く行こうよ。」 高い位置で結われた黒髪が、彼女の動きに合わせて楽しげに揺れる。 緩みそうになる顔をやっとの思いで引き締め、彼女の後を追った。
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