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第2話 : 友達以上、恋人以上
「お前口にチョコ付いてんぞ、ほらティッシュ」
「ああ、ありがとう」
私には、それはもう仲良しの男友達が一人いる。
家族の次に私を一番理解しているのでは無いかと思うくらい、だけど幼馴染みでは無い。
高校に入学して初めてのクラスは彼と同じで、初めての席は彼と前後で、何をするのにも私と彼はなぜかいつも一緒だった。
これは、そんな偶然から始まった不思議な関係。恋人でも無ければ友達と言うのも何だかしっくりこない。
「ひろ、私アレ欲しい」
「ん、分かった」
“ アレ ”と言うのは私の大好きなミルクティーの事を指す。
ひろがお財布を持つとそれは自販機へ行くという合図で、前まではミルクティーが欲しいと言っていたのも今ではアレで通じるようになった。
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