第3話 : 教えてください、黒木部長

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「悪いな、あと今日残れるか?予定があるなら全然構わないが」 「の、残れます!大丈夫です!」 やった!黒木部長と残業! 残業と言うものに喜ばしいものなど1つもないが、黒木部長と一緒にと言う条件が加わるだけで、嫌いな残業がそれはもう輝かしいものに見えてくる。 密かに女性からも男性からも人気を誇る部長は部下を事あるごとに引き立てたり、気遣えたりと、言う事無しの完璧人間。 「週末だから帰って休みたいだろうし、あまり残業はさせたく無いんだが」 「そんな事ないですよ!」 「何せ今は猫の手も借りたい程仕事が詰まっていてな」 「ありがとう」とクシャリと笑うその笑顔にどうしようもなく胸が締め付けられる。
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