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この曲がり角を進むと泉先生のいる教科室があるのだが、俺たち二学年は帰宅する際必ずここを通らなければ下駄箱へは辿り着けない。
だから俺は毎度、先生が室内にいないか意識しながら通るのだ。
居る時は心が躍るし、居ない時は少しだけ残念な気持ちになる。
この好きだと言う気持ちを伝えるのは、せめて生徒を卒業してからだと思っているが果たして言える時がくるのだろうか。
(今日はいない、か)
「あ!菊池くん!丁度良かった!」
背後から声を掛けられ振り返る。
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