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求めていた声が、求めていた人があの柔らかい笑顔で俺を見つめていた。
華奢で優しい落ち着いた雰囲気を纏ったまさに女性の鏡とも言える淑やかさ。
大きな瞳に俺が映る。
その事実は確かに今、泉先生が俺を見ていると言う証拠になる。
それだけで俺の鼓動は速く脈打つ。
背中を軽く押され流されるまま俺は室内へと入った。
先程まで飲んでいたのか室内はコーヒーの良い香りに包まれていて。
「前に重い荷物運んでくれたお礼に好きだって言ってたコーヒーあげる!」
小さな円柱の入れ物には英字の説明文が記載されていて、それは中々手に入らない海外でも希少とされているコーヒー豆だった。
こんな凄い物を俺が貰ってしまって良いのだろうか。
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