第1話 : 甘い、甘い、苦い

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好きな人の幸せを願う事が俺に出来る最善なのだと思う。 「幸せになって下さいね、泉先生」 少し悲しみの混じった今の俺に出来る最大限の笑みで先生を祝福する。 ありがとうと小さく笑う先生をどこか遠くに感じた瞬間、何かがプツンと切れた感覚がした。 「菊池くんはこれから先も、ずっと私の大切な生徒よ」 (生徒…ね、) 悪くないな。 何故なら今はその立場で居る事の方が一番良い選択だと思っているからだ。 俺はこれから先いろんな人と出会って関わっていくし、その度に俺は恋だってしていく。だけど多分きっと何があろうとも先生が好きだと言う感情はずっと変わらない。 誰を好きでも一番は泉先生な気がするんだ。 「俺も、これから先ずっと泉先生は俺の尊敬する先生です、それは絶対に変わりません」 好きと言う気持ちは同じでも、また少し違う形で。 ーfinー
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