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家に入った直樹は女性に連れられ、小さな寝室に連れて行かれた。
女性はそこで数分間直樹を待たせた後、救急箱を持って再び部屋に戻ってきた。
女性は形のよい胸を揺らしながら、直樹に近づいてくる。
「肘のところ、血が出ています。絆創膏でよければ・・・」
女性はそう言って、直樹の肘をのぞき込んだ。
前屈みになった女性の服の間から、谷間がのぞいている。
直樹はこの豪華な眺めを静かに堪能していた。
「えっと、もう大丈夫ですか?」
再び女性の声が聞こえて、直樹は我に返った。
「あ、もう大丈夫だと思います」
慌てて答えた。
「では、失礼ですがそろそろお帰りになった方がいいと思います」
「え?どうして・・・」
完全にこの後の展開を期待していた直樹はあまりの予想外れに自慢の笑みが固まった。
そんなことはつゆ知らず、女性は言う。
「もうすぐ、お父様が帰ってくるので。変な関係の方だとは思われたくございませんし」
やっぱり、病院に行っとけばよかったな、と直樹は思う。
今更後悔しても遅いのだが、それでも直樹は叫びたくなる。
これは、反則だろ・・・と。
これがなければ、あと一ヶ月はあの病院に勤められたのに・・・と。
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