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「だったら、なおさら。それは、男の僕から言うべきことで」
「ボクはキミの先輩だよ」
言い聞かせるように、先輩は僕の目を見て言う。
「……先輩、ぶらせてよ」
いたずらっぽく目を細めた彼女は、さらに顔を近づけて、硬直する僕の耳元で、決定的なその一言を口にする。
やっぱり先輩は先輩で、僕はずっとかなわないままなのだろう。
そんなことを思いながら、彼女と目が合って、僕たちは笑いあった。
「先輩、さようなら。また明日から、よろしくお願いします」
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