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「変な名前」
思わず吹き出してしまった。
「『黒曜石』を瞳に宿しているわ」
なるほど。
「あなたの『ルビー』で、滅茶苦茶にして」
わかった。
「さあ、行きなさい。武器は全部……」
「大丈夫だよ。身体中に仕込んであるから」
そう、私は女。戦う人。お姉ちゃんに仕込まれた格闘術と、かけがえのない仲間がいてくれる。だから何も怖くない。
「やっと起きたか」
あら、藤井(フジイ)ひかり。
「こっちも忘れないでよ」
武井日奈子(タケイ ヒナコ)じゃない。
「私たち、いつも三人でやってきたでしょ?」
当たり前。
「早くバイクに乗れよ。暴れたくてしょうがない」
まあ、三人も乗れるの? ヘルメットも可愛い。
「ひかりの後ろは私だからね!」
わかってるってば。甘えん坊だなあ。
グオオオオオオオオオオオオオ……。
凄まじいエンジン音が流れ続けている。
バチバチバチッ!!
強い静電気のような痺れが起きた。
周りの景色が、一変する。
光速のスピードでバイクが走る。日奈子の長い黒髪が顔にかかって、くすぐったい。しっとりした髪だな。この子はとても見た目に気を使っているから。
「着いたぞ」
下を見ると、目的地だった。
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