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「……あなた達、その時この場にはいなかったよね?」
15時になるのと同時に「お茶タイムだ!」とはしゃぎながら部屋を飛び出して行き、数分後、コーヒーと給湯室のお茶菓子入れから調達して来たと思われるお煎餅を手にキャッキャしながら戻って来た所だったんだから。
「私と白沢さんの会話をリアルタイムでは聞いていない筈だけど。どうしてキツイだなんて事が分かるの?」
「常日頃からの宇市さんの言動から充分予想がつきます!相手が泣くってことは、よっぽど酷い言い方をしたに決まっています!」
「その通り!」
……自信満々に言ってくれちゃってるけど思いっきり推定理論じゃねーかよ。
しかも見当違いも甚だしいし。
はた迷惑なにわか探偵だな、オイ。
私は「もっと集中して業務に当たってくれないと困る」とアドバイスしただけなのに。
しかも怒っていたというよりは、表情も声音もかなり呆れたものだった筈。
それなのにこういうトラブルが起こる度にいつも何故だか、私が烈火のごとく怒り狂い、相手に罵詈雑言を浴びせて泣かせた、という風に事実がねじ曲げられてしまうのだ。
そしてそのまま周りに伝達され、本人はもちろんその現場を目撃していた人物が複数名いたにも関わらず、誰も訂正してくれないままに定着してしまう、と。
キャラクター的に、圧倒的にこちらが不利であるのは充分自覚してはいるけれど。
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