3章 忍び寄る闇の足音

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「私はメルディエル女王シーヴァネアです。あなたの気持ちはお察しします。ですが、我が国の領海は広大です。捜索は私達に任せてはいただけませんか。ロゴスがこの国にまだ居ることが確かであれば、私たちも見過ごすわけにはいかないのです。ですからどうか、今はこらえてください」  年月を感じさせる小さな手が、ヴァルディースの手を包み込む。うるさいと振りほどきたかった。けれど、それはできなかった。  ヴァルディースはもう一度大海に向かって吼え猛った。
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