エピローグ

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 家の方からは、今度は赤ん坊の笑い声が聞こえてきた。いつのまにかレイスが、ゆりかごの赤ん坊を、あやしている。いや、どちらかというと髪を掴まれて遊ばれているだけかもしれないが、楽しそうな赤子の声は、未だ表情は乏しいレイスの心を、映してもいるようだ。 「子供ってのはいいもんだな」  しみじみと呟いたメイスに、ふとヴァルディースはあることを思いついた。  落ち着いたらその思いつきを実行してみるのもいいかもしれない。無意識に笑みがこぼれていたのをメイスが見つけて首を傾げる中、その計画を一人胸に秘めて、ヴァルディースはレイスのもとに足を向けた。
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