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3章 忍び寄る闇の足音
ガルグの世界は地下帝国とも呼ばれる。光の射す余地などない闇に閉ざされた世界だ。古の時代に大地を穿って作られた。世界の多くの者はそれがどこに存在するか知らない。しかし世界史上、常にその存在を人間どもは恐れてきた。
そもそもガルグとは何か。人間どもが破壊者と呼ぶ始祖アルスが、古の時代に世界を消滅させるため、己の手足とするべく生み出した者たちだ。人の心の闇を糧とする生き物。魔力を糧とする精霊とは似て非なる存在である。
求めるのは世界の破滅。そしてそれを叶えるために、人間によって封じられた始祖アルスを現世に蘇らせ、創世の聖戦と人間どもに呼ばれた忌まわしい戦いの再戦を挑み、人間どもに勝利すること。
その悲願のため、何千年もの間屈辱に耐え、雌伏してきた。しかしそれもあとわずかで終わる。ようやく念願の終幕が見えたと思った矢先のことだった。
「ザフォル、よくもガルグを裏切るような真似を」
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