2章 風を待つ熱砂

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2章 風を待つ熱砂

 砂漠は日中、炎天下にさらされる。人間であれば、数時間もいれば倒れることになるだろう。ヴァルディースには関係ないが、元人間のレイスには堪える環境だったらしい。  体力をある程度戻せば自ら死のうとするため、ヴァルディースはレイスの周囲の魔力を断つことにした。  人間が生きる為に必ず水が必要なように、精霊には魔力が必要だ。しかし人間の部分がまだ多く残るレイスに対する加減が、ヴァルディースには理解できてはいなかった。  焼け付くような陽射しが、ヴァルディースにはむしろ心地よかったのも、気づくことに遅れた理由かもしれない。  砂漠で、ヴァルディースはレイスを放置し、世界を巡っていた。ここは意外にも大きな島ほどの規模しかなかった。地平の先はなく、そこで世界は終わる。太陽の周回はあるが、地の果ての向こうは闇だ。目をこらすと、太陽が現れる境のあたりで、世界がザフォルが作った道のように歪んでいることに気づく。     
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