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俺たちの結婚式まで1ヵ月を切った。 「あかつき書房」創立100周年の記念パーティ。 俺は愛名と連れて、出席した。 俺は編集長の飯田さんにすべてを話して、観月を担当から外してもらった。 でも、俺の担当を外れたものの、彼女は「あかつき書房」の社員。 このパーティにも出席していた。 目立つマリンブルーのマーメイドラインのドレスを着て、若い男性に愛想と色気を振りまく。 観月を見れば見る程、若い時の俺の趣味を悪さを自覚した。 「観月さんも出席されているんですね。挨拶した方がいいですか?」 「別にしなくてもいいよ・・・」 「でも…元担当だし」 「担当と言っても、俺はアイツに一度も原稿を渡したコトがない…もう、顔は出したし、行くぞ」 「えっ!?」 俺は愛名の手を握り、会場を出た。 「どこに行くんですか?」 「どこって…リザーブしたスイートだ・・・」 「いつの間に!?」 「昨日ネットでリザーブした・・・」
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