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俺は愛名たちの元に戻った。
「お義父さんはなんて言ってたの?柾貴さん」
「喜んでいたよ。愛名のカラダを気遣ってやれと釘を刺された・・・」
「十分、気遣ってくれてるじゃない・・・昨日だって・・・」
「さてと精算を済ませて…お昼食べようか・・・」
「うん」
精算を済ませ、俺たちは病院を出た。
******
お義母さんを邸宅まで送迎し、その足で敦司様の居る「氷見流」本部を訊ねた。
「二人揃って、この私に報告とはなんだ?」
敦司様は既に御存知の様子だけど、一応俺たちに問いかけた。
「妻の愛名が妊娠しました」
「そうか…愛名さんが妊娠か・・・柾貴君と愛名さんは父親と母親になるんだな・・・」
敦司様から見れば、愛名は孫。
愛名のお腹に宿った命は敦司様のひ孫。
その事実を愛名は知らないが、俺は知っていたーーー・・・
「では、アルバイトは退職しないとな・・・」
「えっ?私は別に大丈夫ですよ」
「いや、この私が心配だ。逆に気を遣う。ここは赤ちゃんの為に、退職してくれ」
「敦司様の言う通りにしたら?愛名」
「でも・・・」
責任感の強い愛名はアルバイト退職を渋ったが、俺と敦司様が説得した。
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