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~柾貴side~
悪阻の時期も超え、胎動も感じて、愛名のお腹の中で俺と愛名の子はスクスクと育っていった。
気が付けば、愛名のお腹も妊娠8ヵ月・・・
元々細身のスタイルの愛名だけど、俺の子を宿したお腹だけは大きく風船のように膨らんでいた。
8ヵ月ともなれば、外から見ても彼女は妊婦だと気が付く。
「ありがとう・・・」
最近、お腹が邪魔で、靴下を履くのも辛いらしいから、俺がソファに彼女を座らせ、靴下を履かせてあげた。
「まるで、硝子の靴の持ち主を探しにシンデレラの家に来た王子様の使いだ」
「柾貴さんが王子様じゃないの?」
「俺が王子様??」
「そうよ。私がシンデレラなら、貴方が王子様でしょ?」
「・・・」
「お腹の子は誰の子?」
「俺の子だけど・・・」
「じゃ貴方が王子様よ」
彼女に靴下を履かせると俺は隣に腰を下ろした。
「赤ちゃん、元気に動いてるわよ」
俺は愛名のお腹に手を当てて、赤ちゃんの動きを確かめた。
8ヵ月ともなれば、俺でも赤ちゃんの動きが分かった。
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