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俺は敦司様を2階の新生児室に案内した。
面会時間は10時から、全面硝子はカーテンで閉め切られていた。
「俺がナースに掛け合ってきます」
俺は新生児室の隣にあるナーススーテションに駆け込んだ。
「伊集院です。あの…面会時間外ですが・・・赤ちゃんと対面できませんか?」
ナーススーテションに居た婦長さんが快く、承諾。
俺と敦司様は中に入れて貰い、赤ちゃんと対面した。
白い産着に身を包んだ俺と愛名の赤ちゃん。
「・・・大きいな・・・」
「3500グラムと大きめだったから…そりゃ、愛名も疲れたと思います」
「名前は決めたのか?」
「はい、俺の名前と敦司様の名前をを合わせて、貴司と名付けるつもりです」
「私の名前の一字をとったのか?」
「はい」
「康秋はそれでいいと言ったのか?」
「はい、敦司様も抱っこします?」
俺は敦司様にも抱っこさせた。
「・・・康秋の孫か・・・」
言葉にはできないけど、敦司様にとって康貴はひ孫。
それは、愛名の知らない秘密だった。
「愛名と貴司を幸せにしますから…安心してください。敦司様」
「頼むよ。柾貴君」
俺と敦司様は貴司を優しく見つめたーーー・・・
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