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PART2突然のセクハラ!?
ー璃愛side-
「申し訳ありません。伊集院元総理にももう一度、コーガさんの口からごちそうさまでしたとお伝えください」
「コーガさんね・・・久しぶりだな。そう呼ばれるのは…でも、今はコーガじゃないし、伊集院さんと呼んでください。野原さん」
「すいません」
私たちはランチを奢ってもらった上に、プリンス様に社内フロアまで送迎してもらった。
「私はここで」
野原先輩はぺこぺこと頭を下げてエレベーターを降りた。
私とプリンス様の二人。
「君…何処かで会ったコトない?」
プリンス様のチョコ色の瞳が訝し気に私を見つめる。
「いえ・・・」
「眼鏡を掛けた女性は知り合いに居ないんだけどな・・・」
プリンス様は顎を指で弄りながら考え込んだ。
何!?
彼は私のコトを憶えているの?
いや、私はいつも遠巻きで彼を見ていたから…彼が病室に来た時、バレンタインのチョコは渡したけど。
バレンタインのチョコなんて腐る程、貰っているだろうし。
私のコトなんて記憶にないと思う。
7階フロアでエレべーターは停まった。
「いいよ。俺もそのまま羽島課長に会うから…下りるよ・・・」
「は、はい・・・」
彼の声を訊く度に、胸の動悸が妙に高鳴る。心臓病は完治したはずなのに。
ドキドキが止まらず、苦しい。
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