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「ん? それってみんなで交換会をしたんだよな?」
「いや、俺が個人的にした。たまたま席が隣になった時に」
「は? なんで?」思わず声を荒げてしまい、周囲の目が集まるのを感じた。喧嘩が始まったのかと思われたのかもしれない。でも大丈夫、俺はもう大人になったからな。
「なんでって、俺も長濱に気があるからだよ」
漫画なら「ガーーン」という効果音が背景に出ていたかもしれない。後ろに仰け反りそうになる俺の反応を楽しんでか西野は笑っている。
「向井っていちいちリアクションが面白いよな」
「馬鹿にしてんのか?」
「いや、褒めたんだけど。そういう感情むき出しみたいなの俺はできないからさ」
やや上から目線な台詞に俺がもやもやしているうちに西野はノートパソコンに目線を移していた。真剣な表情が気になり、画面を盗み見ると来週提出期限の企画書だった。ちなみに俺はまだ手つかずだ。
「こんな時まで仕事かよ」
「他にやることないからな」
「趣味とかないの?」
「お見合いかよ」
西野が笑う。
「てか寝ろよ。あとで眠いって言い出しても寝かさないからな」
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