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車での移動。
もう少しでラーメン屋に着く頃だった。
「なぁ…」
「ん?」
「こっちのことは気にしなくていいからな」
「うん、ありがとう」
見透かされていた…。
ひとことも言っていなかったのに。
自分の記憶がないことを怖がってる…
怖いのは確かだ。
でも、何で?
今考えていることが違うってわかったの?
見透かされてびっくりする反面、理解してくれているという安心感もあった。
「さっ!注文! ここはこってりなんだけど、あっさりなんだよ」
「えっ? それってどっち?」
「こってり…両方じゃん?」
「よくわからんわ」
話をしている時は笑みがこぼれる。
でも、その裏側では
これから何が起こるかわからないという恐怖。
この病気のことを理解してくれている友達がいるという安心。
2つのことがぶつかり合っている。
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