第1章 違和感

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「こんにちはー!」 「こんにちは」 子ども達が来た。靴をしまい奥の部屋までダッシュする。余程楽しみだったのだろう。 「先生何する?おもしろい話?」 中学の男の子。この子とはよくおもしろい話、怖い話などいろんな話をしている。 「あっ、先生! あれがいい! 後ろから…のやつ!」 「あぁ、怖い話のやつね」 デパートを歩いている時に起きた体験話。この話をすると大抵の人は驚くが、この子は何度も聞いているため驚かない。むしろ笑っている。 「えっと…これはね、ある日の夜…」 あれ、また…なんだこれ…。 話そうとした途端、意識が朦朧としてくる。 えっ…俺? まるで上から自分を見ているように感じた。幽体離脱のような… 「あっ、えっとなんだっけ?」 「怖い話!」 「ごめんごめん」 少しすると戻って来ている。時間の確認をしなかったからわからない。ただ…なんとなく飛んだのはわかった。
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