41人が本棚に入れています
本棚に追加
「それで、引っ張られた?」
「そこ言っちゃダメだよ」
怖い話の1番大事なところを子どもに言われてしまう。言った本人は嬉しそうに笑っていた。
「歌ってたの何で?」
「んっ、 歌ってた?」
歌ってた? よく歌うことはあるが今日は歌ってなかった。
何のことなのかわからない。
「うん。フンフンみたいな」
「えっ?」
その子は笑っているが… 何のことなのか本当にわからない。 歌ったつもりもないし、記憶も…
記憶………!
「それ本当に?」
「うん」
「ーーーーそろそろ帰るよ!」
「あっ、またお話してね!」
子ども達は帰る準備をし始める。準備が終われば車に乗って帰っていった。
親御さんと話して…いつもと変わりはない。
子どもとも手を振って、さようなら。
1つだけ引っかかる…
歌ってたって何のことだ…
わからなかった。やった記憶がないことを子どもに言われて…
でも、あの子が嘘をつくとは思えなかった。むしろそんな子じゃないのはわかっている
考えられるのは……
あの時の……
一瞬感じた……
幽体離脱みたいな時…
僕が確かだと思ったことは……
また知らない時間が出来てしまったということ。
最初のコメントを投稿しよう!