メイクアップは魅惑の秘訣

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メイクアップは魅惑の秘訣

☆ ☆ ☆ 雨の降ってきそうな曇りの日。 公園で遊ぼうと思い、公園の入り口を潜ると、同じ年くらいの背の低い男の子が大柄の男の子達に文句を言われていることに気づいた。 「お前はブランコなんかしないで、鉄棒で遊んでれば?」 文句を言う男の子達の中でも、特に体格が良くて大将格に見える男の子がそう言った。 周りの子は「そーだ、そーだ」とありきたりな言葉を返すと、一人の男の子を睨んだ。 「…で、でもっ。僕が先にブランコで遊んでたのにっ…」 男の子は一生懸命その事を伝えるが、ジャイアン格の男の子は「強い方がブランコを使えるんだよ」と跳ね返した。 「でもっ」 それでも尚、男の子は意志を曲げない。ジャイアンは煩わしくなったのか、「うるせーな」と言って、手を上げようとした。 「おーい、ちょっと待て!ブランコは順番それが常識だろっ?!」 その時わたしが登場。 わたしはその時、完全にヒーローにハマってて、手に持っていたヒーローのお面を顔につけて、完全にヒーローぶっていた。 「は?誰だよ」 ジャイアンの声が聞こえる。ヒーローぶれるって気分は最高潮。テンション上がりまくりでわたしは言った。 「わたしはあ、天才戦隊・赤レンジャー、その名もミッカー!!」 名前の美香を捩っただけのものだったのだが、その時のわたしは天才的な考えだと思っていて、すごく高らかだった気がする。 「この世に蔓延る悪は見逃せないっ! いっくぞお!必殺、砂かけババア!」 そう言って、すぐ側にある砂場の砂をジャイアンの仲間ーズの男の子達に掛けまくると、直ぐに男の子の手をとって逃亡した。
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