桜豪雪の日に

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 小学校の近くには桜の植えられた場所が多い。  今重たい足取りで歩いている川沿いも、桜並木に満開の花が咲いている。まあ、この異様な花びらのせいで、それを楽しむ余裕もない。  ふと、足が止まった。  特に理由があったわけじゃない。  ただ、この道を通って学校に行っていたようなときは、失敗したなんて記憶なんかなくて、無邪気に、何もかもが予定通りに進んでいたのだな、と思ってしまったのだ。  そして今、予定通りに進むことが何もない。  これからも無いような気さえしている。  それならこのまま川の流れにでも身を委ねてしまった方いいかもしれない。  川は降り積もったおびただしい桜によって、白い雪が流れているようだ。  相変わらず、花びらも止まない。  ぼうっと立っているだけなのに、方向感覚がおかしくなりそうだ。  このまま花に埋もれて遭難してしまったりして。  でもそれはそれで悪くない、なんてことを考えていた。
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