桜豪雪の日に

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 ここまではっきりと好きだと言われたことはなかった。他人からはなんだかはっきりしない奴だと言われ続けてきた。 「周りに合わせて話したり騒いだり、そういうこと全然しなくて、女の子といても無口で……無理してない感じが、私すごく好きだったんだ。ずっと眺めてて、幸せだったなあ」 「……そうか」  出てくるのは、そんな間の抜けた相槌だけ。  久しぶりに会った同級生に、告白を受ける。ありがちだが、自分がされるとは思っていなかった。  本当に、想定外のことばかり起こる。 「今は、なんか無理してるみたいだけど」 「そう見えるか」 「ずっと見てたから、わかるよ」  一つ息を吐く。  朝比奈に言っても仕方ない、と頭ではわかってはいた。  桜吹雪が作り出す異様な世界に当てられたのか、俺は普段飲み込む言葉を口にしていた。
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