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◆ ◆ ◆
「じゃあ、まず。この『てんさい糖』と『豆乳』と『塩』を入れて混ぜて……」
「……あの『てんさい糖』って何ですか?」
「ん? ああ。『てんさい糖』って言うのは、『砂糖大根』の根っこから作られた物で……あっ、『ビート』とも呼ばれるモノだね」
この人にとっては『ビート』や『砂糖大根』と呼ばれるモノはなじみのあるモノかも知れないが、僕にとってはどちらも聞きなじみのない言葉だ。
「そっ。ちなみに『砂糖大根』は、コレだよ」
「!」
そう言いながら僕の前に「ドンッ」とその『砂糖大根』と呼ばれるモノを置いた。
しかし、形状は、確かに『大根』の様な……?
いや、『蕪』の様に見え、色も白いため、やはり『大根』というよりは『蕪』という印象を与えた。
「……おっ、大きい」
「確かに、君と比べると……さらに大きさの違いがよく分かるね」
その大きさは、僕と同じくらい……いや、もしかすると僕よりも大きく見えた。
「ちなみに『てんさい糖』にはパウダー状のモノと、粒状のモノがあるけど……俺はパウダー状のモノをよく使っているよ」
「なぜ?」
「まぁ、ただ単純に溶けやすいからだね」
「……?」
「うん。ダマになったり上手く混ざらなかったりすると、舌触りとか美味しさに影響しちゃうから」
「ふーん……なるほど」
確かに、お菓子作りをしていて『混ざらない』なんてなってしまえば、美味しさに影響が出るのだろう。
すると、すぐにその人は『てんさい糖』が入ったボウルに『豆乳』を入れ、よくかき混ぜた。
次に『瓶』に入った白っぽいモノを取り出し、量ると……その『白っぽいモノ』を溶かし始めた……。
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