出会いは突然訪れる……

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 でも、まさかその間に『森』が丸ごとなくなっているとは思ってもいない。まさしく『青天(せいてん)霹靂(へきれき)』だ。 「……どうしよう」  しばらくの間は、埋めた木の実やどんぐりなどで食べ物はどうにかなる。でも、いつかは食べ物も底をついてしまうだろう。  僕は、人間の世界はよく知らないが、自然界(しぜんかい)は決して弱者(じゃくしゃ)に優しくない。生きる(すべ)を持たないものに対しては特にである。  ――――ただ、なぜだろう。  こういう時、頭では「どうしよう」と不安に思っているにも関わらず、なぜか内心(ないしん)では、「なんとかなるだろう」と楽観的(らっかんてき)に思ってしまっている。  しかし、それは僕だけなのかも知れない……。  だから僕は、しばらく間「大丈夫大丈夫」と自分を誤魔化(ごまか)し、面倒な事を全て後回しにしてしまい、「本当にどうしよう」と悩んでしまう状況になってしまった。 「はぁ……」  でも大抵そんな事をすれば、後々で後悔するのは目に見えている。それなのに僕は学習しない。  ――本当に残念なヤツである。  ただ僕は、多少の事では(くじ)けない。  それに、なんだかんだ言って『本当にどうしようもない事』という状況は、僕が今まで生きてきた中ではほとんどない。 「……うん。あっちに行ってみよう」  お腹をすかせながらも、僕はゆっくり小さく『隣にある森』へと歩みを進めたのだった……。
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