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いつもにこやかなセイの、あんな辛そうな顔は見たことがない。 夢の中には彼以外出て来ない。 彼は公園に独りで住んでいるのだろうか。 話をしている限りでは、セイは私と同じ年代の、普通の男の子だ。 頭脳明晰で紳士なイケメンであるけれど。 きっと一人はつらいに違いない。 私は友人の佐貴子に相談した。 佐貴子は頭がよくて行動力がある頼もしい友達だ。 小中と一緒だったが高校は難関と言われる進学校へ行った。 「ふーん。日時計のある公園のセイ君かあ。」 佐貴子は気乗りしないようだった。 「夢に出てくる男の子をこっちの世界に連れてくる方法なんて分かんないし、 連れてきた所で、生活とかどうすんの?」 私は黙るしかなかった。 「でも、あんたの気持ちも分かるし、 そんな事が毎日続いてたんじゃ、疲れてるんじゃない? 眠れてる?」 気落ちした私に気づき、佐貴子はいたわるように言った。 確かに私は少々疲れていた。授業中の居眠りが増えていたのだ。 「あーっ!」 佐貴子が急に叫んだ。 「日時計の公園!」 「な、何どうしたの」 「うちの学校で、日時計の前で倒れてるところを発見されて、 目が覚めない生徒がいる。一年上の、確か志田きよし君。」 「きよし?彼はセイって…」 「聖って書いてきよしだわ。確か」
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