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「あなた、不審者ですか、ロリコンの。」
「ちげぇよ!OB!卒業生に決まってんだろ!」
「あー、そっちでしたか。つい。」
「何でそっち以外だと思うんだよ。」
彼は呆れながら苦笑いしていた。
少し大人をからかいすぎたかもしれない、と心の中で反省をしていると
「まぁ、俺もこの季節になったら何度か抜け出してここに来たことはあったから多少はな。それにこんな友達がいない人生辛そうなガキを先生方に報告しようとするほど俺はひどい人間じゃないからな。」
「べっ、別に友達いるし...」
「じゃあそいつと一緒に飯食えよ。」
「そういうのはちょっと苦手だから...」
「ははは、分かるよ。みんなでワイワイしてる時に周りの人と自分との温度差を感じちゃうんだよな。」
この人は本当に痛いところをつく。だけど、痛いと思うのはきっと、自分自身に思い当たる節があるからだ。
「なんか、とても腹が立ちますね。」
「おい、正直か!」
正直このテンションは苦手だが、どこか私と似ているこの青年。
「あの、もしよかったら学生時代のお話とかしてもらえませんか?」
「あー、まぁ俺も暇だったし、いいよ。」
私はその日彼とお話をした。いつも一人でいる私にとってそれはとても新鮮な事だった。
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